お知らせ メディア 伝承・遺構 2020/11/23 | 0 Comment

22日に伝承の会のメンバーで、岩手県の伝承活動を視察してきました。
前日に三陸道の「小泉~津谷」間が開通したばかりで、余裕をもって移動できました。

◆大槌:おしゃっち・役場跡
最初に着いたのは大槌。迎えてくれたのは大槌高校2年の植田くん。
鵜住居出身の彼は学校で防災活動に熱心に取り組み、先日も避難訓練とワークショップを生徒主体で行いました。その活動の中で大川伝承の会とつながりました。彼と話しながらおしゃっち、そして昨年1月解体された旧大槌町役場跡を見学しました。
現在は解体されて看板も何もない状態ですが、ちょうど跡地を伝承事業に活用という報道があったばかりです。大事なのは保存か解体かではなく、どう伝えるかです。保存が決まっている大川小学校も同じことが言えます。

◆鵜住居:いのちをつなぐ未来館・釜石祈りのパーク・昼食
7月に、鵜住居トモスのスタッフの皆さんが大川小学校に来てくれました。今回の視察はそのことをうけて企画したものです。案内してくれた菊池さんは当時の中学3年生、植田君は一緒に避難した小学1年生です。その二人にあの日の様子を聞く貴重な機会になりました。
ここは鵜住居地区の防災センターがあった場所。ここに避難した多くの方が犠牲になりました。菊池さんは小中学生の避難の様子と共に、その事実を丁寧に伝えてくれました。

救えた命、救えなかった命のどちらも向き合う。それが「いのちをつなぐ」という館の名前に込められた意味だと思います。
施設内にたくさんの説明板がありましたが、図や写真が分かりやすく配置され、メッセージもシンプルで響く言葉が使われている印象を受けました。

◆越喜来:旧越喜来小学校前:潮目(バーバーはうす)
越喜来(おきらい)小学校は校舎からすぐ道路に出られる非常階段があり、迅速な避難ができました。この階段は、地元の市議の熱心な働きかけで、震災3ヶ月前に出来たばかりでした。その方は震災9日前に病気で亡くなりました。
朝日新聞記事(2011.3.29)より
案内役は地元の佐藤さんと片山さん。佐藤さんは震災前より子供たちの津波防災活動に熱心で、大川伝承の会のメンバーとも交流がありました。片山さんはこの場所で元理容店を改造した資料館(?)「潮目」を作って活動している方です。越喜来小の非常階段もそのまま屋根として使っています。干し柿がたくさんつるされていました。

潮目:フシギな震災資料館
道路にある手作りの小さな看板一枚。でも、お二人の語りだけで風景も当時の様子も、そして、思いもしっかり伝わってきました。

こちらもお読みください。

◆陸前高田:津波伝承資料館(いわてTSUNAMIメモリアル)
最後は奇跡の一本松のそばにある伝承資料館。越喜来の手作りの資料館の後だったので、そのスケールの大きさがより感じられました。
駆けつけてくれた議員さんや電話をくださった学校の先生、想いは同じですね。ありがとうございました。

10年近く経ち、町の様子も変わりました。震災後3年ほどまでは記憶も新しく、景色の至る所に津波の痕跡がありました。町全体が震災遺構でした。
何を遺し、どう伝えていくかが問われるのはまさにこれからです。 これは被災地だけの課題ではないと思います。

あの日、太平洋沿岸の広い範囲に渡って津波が到達しました。
同じ日の同じ時刻の地震です。共通する部分はもちろん多くあります。一方で、地域ごとに様々な違いもあります。地域や世代を超えて共有することで、伝承活動はより深み厚みを持つことを、改めて実感することができました。

いろんな人のいろんな想いをいろんな言葉で伝える。そして、つながる。

これまでご縁をいただいた方々の協力で、今回の視察が実現しました。釜石に移住して防災活動に取り組んでいる若者や、以前宮城のテレビ局にいてお世話になり、現在岩手のテレビ局にいる記者の方とも再会できました。また、新しい出会いもあり、本当に感謝しています。
岩手の皆さんお世話になりました。

訪問した各施設には大川小関連のリーフレットが置いてあります。