2017年5月27日夜、あの日何が起きたのか、何が問題なのかを知りたいという多くの声をうけ、勉強会を開催しました。
会場は石巻市河北総合センター(ビックバン)。
定員は30名でしたが、60名近い申込があり、急きょ広い会場に変更しました。
一般市民、メディア関係者、教育関係者、NPO…。様々な方が参加。
県外からもたくさんおいでいただきました。(最終的に55名参加でした)
6年が過ぎても、多くの方々が大切なこととして関心を寄せてくださっていることが分かりました。
同時に、6年が過ぎても、まだまだ整理できていないということだと思います。
大川小の事故は、東日本大震災の津波による被害であると同時に、学校管理下で起きたという面が大きな特徴です。
学校で子どもと教師がこれだけ犠牲になった例は今までありません。校庭にいた子どもの9割以上です。東日本大震災で避難をほとんどせずに学校管理下で犠牲を出したのは大川小だけです。
突然、地域から子どもの姿が消えました。
助かった子ども達もいますが、あの日から急に同級生や先輩、後輩がいなくなったのです。
地域や子どもたちの6年間、そして、これからにも心を寄せていただきたいものです。
6年過ぎましたが、遺族はもちろん、社会全体がまだ受けとめ切れていません。戸惑い、迷っています。
当局であるはずの教育委員会は、まともに向き合うことなく曖昧な説明を続け、次々に担当者が代わりました。
第三者検証委員会は、時間と予算を浪費した末、事実の解明を放棄し、形式的な提言を示しただけです。
「いつまで騒いでいるんだ」という声もありますが、終わらせてはいけないのです。
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今回の勉強会にあたり、次のように項目を立てました。
すべて関連する項目ですが、整理しやすくするためです。
➀ あの日に何が起きたのか
➁ 事故に結びついたものは何か
➂ 市教委の事後対応の問題点
➃ 検証委員会の問題点
➄ 伝承について
➅ 訴訟について
➆ どう向き合うべきか
どれも簡単ではありません。立場によって見方も変わってくる部分もあるでしょう。
相手を気遣うあまり、言いにくいこともあるでしょう。
それだけに、いろんな立場を超えて一緒に考えようという形が、これまでできそうでなかなかできませんでした。
今回の勉強会は、2013年秋に「小さな命の意味を考える会」を立ち上げてからずっと模索してきた形です。
6年が過ぎてこの場が持てたことは、感慨深いものがあります。
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二転三転する当局の説明、
対話の難しさ、
そして、突然、我が子を亡くした遺族の想い。
あの日からの6年2ヶ月は、けっしてきれい事だけでは語れません。
感情のコントロールができずバランスを欠くこともありましたし、意図しない形で相手に伝わることも、今まで多くありました。メディアの皆さんも「何をどう伝えたらいいのか」悩んで来られたことと思います。
きれい事ではない事実、想いを出し合える場にしたいです。そこから方向性も見えてくるはずです。
実際、勉強会ではテレビ新聞ではふれないような話がたくさん出ました。
世の中にこのままストレートに伝えたら、インパクトはあるかもしれません。誤解も受けるでしょう。
「勉強」すべきはその先です。
きれい事じゃない事実を、どんな言葉で、どんな方法で伝えるかです。
遺族が口を開くと、「遺族だから仕方がない」あるいは「遺族が騒いでいる」と受け取られます。
一般の人が言うと、「部外者が何を言っているんだ」「遺族の気持ちも分からないくせに」となります。
そのうち誰も言わなくなります。
「何年か前に、たくさん子どもが亡くなった学校があったよね、どこだっけ?どうしてだっけ?まあいいか」
誰もが大切なこととして向き合えるようにしたい。
多くの皆さんと立場を超えて、力を合わせたい。あの子たちも一緒に、という想いで…。
そう願っています。
27日の夜は、家に帰ってすぐに爆睡しました。にこにこ微笑む娘の夢を見ました。
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次回の勉強会は、7月16日(日)13:00~の開催を予定しています。
今回は概要の説明が中心でしたが、ある程度テーマを絞って掘り下げたいと考えています。
こちらのブログもお読みください。
ほんとの復興のはじめの一歩
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