大川小事故検証委員会では第2回会合(平成25年3月18日)の際、遺族の意見陳述がありました。公開で行われています。
「原則として、公開で行う」ということでスタートした検証委員会ですが、撮影の制限、密室での決定、根拠を明らかにしない考察などが多く、実際は無条件で公開している部分はあまりありません。「原則」という言葉は「できるだけ」ではなく「ほんの少し」という意味のようです。
そのような中、私たち3名は、検証委員の先生方に、公の場で直接想いを聞いていただける貴重な機会と思い、報道のカメラの前に立ちました。検証委員会のHPにも実名で掲載されています。
検証委員会の皆様へ(抜粋)
あの日の大川小学校で、先生達は子ども達を守ろうと一生懸命だったし,避難の必要性も感じていました。なぜこのような状況になったのか、そこに至った要因について、多くの資料,証言をもとに、たくさんの方に協力をいただきながら、2年間考察を続けてきました。単に危機意識が足りなかったということではありません。ましてや、津波の歴史や、校舎の構造や立地条件も理由にはなりません。
避難行動の足かせとなったものがあるのです。
私たちが考察してきたことが、大いに参考になると思います。ぜひ詳しく話を聞いていただきたいと考えています。
学校管理下にいた9割以上の子ども,先生が犠牲になったという事実を前にして、子どもの命に正面から向き合える組織に、教育委員会を変えていかなければなりません。この機会に変えなければ、悲劇は繰り返されます。
大川小の検証は,検証委員,遺族,教育委員会,誰にとっても辛く,難しい作業です。今日も3人が公開の場で話をしていますが、ほんとうに辛いです。
関心をもっていただいている多くの皆さんも,報道の皆さんも,この重い事実にどう向き合うべきなのか,悩み,苦しみながらきた2年間です。
津波の恐怖の中、寒い校庭でじっと指示を待っていた子ども達から,目を背けないでください。
避難を始めた途端,巨大な黒い波に飲まれた子ども達から,目を背けないでください。
家族,地域が見守り,育ててきた大事な大事な子ども達の命から目を背けないでください。
仕方がなかったで終わらせてはいけません。 このようなことは決してあってはならないのです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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小学校の卒業式を目の前に,中学の学生服を着ることもなく,突然,自分の前からいなくなってしまった息子。周りを見渡せば成長した子ども達,学生服を着た子ども達が笑顔で暮らしているのに,何故自分の子がいないんだろうと,未だに現実を受けとめられずにいます。自分の中では,あの日3.11から時間が止まったままです。優しかった息子,頼りがいがあったあの背中,もう二度と見ることが出来ません。
「おっかぁ,心配すんな」と,たまに声が聞こえてくる様な気がするけど,何故自分よりも先立たなくてはいけないのか,まだ納得が出来ません。
息子たちは6年生だったので,周囲の様子や情報から,自分が置かれている状況を把握し,早くから「山へ逃げたい」と先生に訴えていたと,生存している息子の同級生から聞きました。子ども達は人間の本能で,逃げるべき,高い所に上がるべきだということを十分知っていたのです。
このままでは,自分が死ぬと判っていながら,寒い寒い雪の降る校庭で50分の時間を過ごしていた時の恐怖…。代われるものなら代わってやりたかったと,今も泣いている日々です。
失った命はもう二度と帰ってくることはありません。でも,最後まで自分の命を守りたかった息子の無念は未だに残っています。
今,生きている大人の都合で,事実を歪めることがあってはならないと思います。犠牲になった74人の子ども達,10人の先生方の魂と向き合い,事実をすべて明らかにして,正しい検証をお願いします。それが供養にもなると思っています。
どうか宜しくお願いします。
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体験したことのない事故が起きたのにも関わらず、普通の対応でごまかそうとしたり、教育者でありながら、子どもたちの失われた尊い命と向き合おうともせず、虚言暴言・隠ぺい工作をして保身に走っていることが許せないのです。もう二度と大川小学校の悲劇は起こさないでほしいのです。亡くなった児童・家族・先生が生きた証の為に… 生き残った子どもたちのために… 1000年後の子どもたちを守るために…
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