「難しくしない、複雑にしない、シンプルに、でも丁寧にいのちに向かいたい」と投稿した後、気仙沼にある震災遺構「命のらせん階段」に行ってきました。
津波の高さ、威力、防災、地域づくり、伝承、教育、そしていのち…、
この建物を前にするだけで、大人も子どもも様々なことが想像でき、意識が深まります。
なぜこの場所を遺すのか、壊れた壁や、ねじ曲がった階段自身が語りかけます。
らせん階段は3月11日に突然出現したわけではありません。
本当の防災は、地震の前、津波警報の前のことです。
平時にどれほどいのちに想いを馳せるか…。
阿部長商店や地域の皆様をはじめとした方々の、 保存のための取り組み、伝承活動に敬意を表します。ありがとうございました。
震災10年目、しかも判決確定1年、さらに大川小周辺は震災遺構の整備工事が進められているとあって各メディアの取材が増えています。
地元の河北新報は1面に5日間、社会面に4日間のシリーズ記事を掲載しました。
同時の掲載はきっと意図的なのでしょう。両者を読むとそのコントラストが際立ちます。
1面は、文科省の通知、マニュアル見直し、有識者会議、地域連携、そして「学校は多忙」というお決まりのフレーズが並びました。 (参考:10月10日の記事「学校アンケート」)
「津波警報が出たら高いところに逃げる」
そのシンプルな判断と行動を生み出すのは専門用語の解析でもなく、分厚いマニュアルでもなく、長時間の会議・研修でもありません。
何度も書きますが、子どもにとって、学校はたまたま通りかかった場所ではありません。先生はたまたま居合わせた大人ではありません。
だから地域が協力するのです。だから子どもが輝くのです。学校経営における地域のあり方の「根っこ」をふまえないと「地域連携」が一人歩きし、これも学校の負担になります。
あの日から見えてきたことは「難しくしない、複雑にしない、シンプルにかつ丁寧に命に向かう」 ということです。子どもたちが頷いてくれるように。
気仙沼の命のらせん階段を見て、河北新報社会面の4記事を読んで、改めて感じました。
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