お知らせ 検証委員会等 2014/03/17 | 0 Comment

メールをしても、もう返信がないのでこちらに書きます。

3月1日に最終報告書が石巻市に提出されました。
それを受けて大川小学校事故検証委員会の室崎益輝委員長が神戸新聞のインタビューに答えています。
(掲載3月7日)
その中にこんなコメントがあります。

「(山への避難は)急斜面だったことから早い段階で見送られたようだ。」

「急斜面」は山への避難を選択しなかった理由では断じてありません。
県道からすぐ見える斜面は急ですが、体育館の裏山は平成21年まで毎年3月に椎茸栽培の体験学習が行われていて、角度も9°となだらかです。みんなそこに逃げているとばかり思っていました。「山への避難」はその体育館裏山への避難を指します。

子供たちが逃げたがっていた山はけっして急ではないのです。

検証委員会では、「平均斜度20°、最大斜度は30°を超える」と急斜面であるということばかりを強調していました。現地を案内し、写真を提供し、測量値を示し、最終報告書にようやく「比較的なだらか」「10°程度」と記載していただきました。
ほんとうに最後の最後、「ようやく」です。

それだけにこの記事はショックでした。急斜面ではないことを認めたはずなのに…
このインタビュー内容はその他にも疑問点がたくさんあります。
不十分だった検証の言い訳をしているように読み取れます。

室崎先生は神戸大学の名誉教授で、防災の分野では大きな権威のある方です。
これまで疑問点や要望に何度も耳を傾けていただきました。
メールをすると必ず丁寧な返信が届く誠実な方です。
委員長として、議論が深まらない検証委員会の状況を憂い、11月末から「遺族との意見交換」の場を設けました。「10°程度」等は、それがなければ入らなかった文言です。

ところが、直後の取材に委員長が「急斜面だった」と答えています。
室崎先生、それはないでしょう。残念です。あんまりです。

最終報告書提出後、何度もメールをしていますが、もう返信はありません。
室崎先生にとって、大川小の件は一刻も早く忘れたいことなのでしょう。

あの分厚い報告書の頁は、もうめくることもなく、手元にも置いていないと思います。

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