こうしてHPに書いても、届けることができるのは、せいぜい数百人です。
新聞、しかも一面と社会面のトップ記事の前では、竹槍以下、つま楊枝にもならない
小さな小さな声です。
でも、印をつけておくために書きます。
2018年11月5日。
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大川小事故の検証は、なぜ意思決定が遅れた(できなかった)のか、
なぜ津波に向かって移動したのかを考察することです。
99%の確率で津波が予想され、再三対策を見直すように指示があり、
当日も大津波警報が鳴り響く中、一校だけ動かなかったのはなぜか、です。
時間・情報・手段すべてそろった中での事故です。
当日の津波のメカニズムは関係ありません。
ところが今日の河北新報の扱いはまるで世紀の大発見です。
明らかに「津波防災の日にセンセーショナルな記事を」というストーリーありきです。
最新のコンピュータによる解析だそうですが、
元になったデータは何年も経ってから、かき集めたデータです。
やはり、「…可能性がある」「…推定される」連発の記事になっています。
指摘したら「まだ精査が必要」と言われました。
精査していない記事を載せたのでしょうか?
朝から私たちの元にも、様々な声が届いています。
これではとても無視できません。
河北新報の狙い通り、津波の日の一面&社会面の効果はてきめんです。
今回の報道をうけて他社からも取材が殺到するでしょう。
講演会の題材にもなるでしょう。
やがて「可能性がある」は「事実」のような認識になり、定着します。
富士川の水が溢れ、それを見て避難を始めた人がいて、
15:35に時計を確認して家を出たと、震災間もない頃の証言があります。
北上川をあふれた巨大な波はその後大川小を襲っています。
校内の時計は全部15:37で止まっています。
ところが今回の解析では、最初に8mの津波が到達したときではなく、次の8mの波で止まった「可能性がある」とあります。
学校を飲み込んだ8mの巨大波で止まらなかった時計が、次の波で3つ一緒に止まるはずがありません。
15:35の時計を見たという証言はカットされています。
その他、矛盾は多数あります。素人目に見ても浅すぎる考察です。
でも、科学的なお墨付きとなります。
これから私たちは、また巨大な壁に立ち向かわなければならないのですか?
遺族が騒いでいると言われながら。遺族じゃないのに騒いでいると言われながら…。
なぜ、対立の構図をわざわざ作るのでしょう?一緒にやることはできないのですか?
黙っていたいけど、こんな記事をでかでかと載せられたら、何かを言わないわけにはいきません。
予想通り、様々な批判や意見が飛び交っています。
この記事を、対話や議論のきっかけにしたいと言われましたが、
こんなのは対話でも議論でもなんでもありません。
記事になる前になぜできなかったのか?
今村教授だって、大きな記事になってから意見を言われても、耳を傾けるとは思えません。
検証委員会の失敗で学習したはずです。
だから、確信犯です。重々分かっていての掲載です。津波の日に。
きっと遺族が納得しないとかなんとかで、また記事になるのでしょう。
対話が必要なのに、対話なしで進めようとして、遠くから届かない石を投げ合う構図。
不要な溝や壁を生み出す構図を変えたいと取り組んできました。
少しずつですが、メディアの皆さんのおかげもあり、試行錯誤しながらも勉強会や座談会などができるまでになりました。伝承の会のガイドにも毎回多くの方が訪れます。
日本だけでも分母は一億以上ありますが、一歩一歩対話が広がる手ごたえをようやく感じていました。
河北新報の皆さんも知っていてくれたはずです。
でも、こんなでかい石を投げられたら、積み重ねてきたものが一発で崩れ去ります。
子供の命がどんどん遠ざかります。
こんなことはもう二度とあってはいけません。
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他の沿岸部は解析が済んでいたが、大川小周辺は今回、依頼を受けるまで手つかずだった。
見落としてはならない部分です。
突然一面に掲載された意味不明の記事ですが、
7年以上、陰で蠢いているものの尻尾が少し見えてきました。
震災間もない頃の証言、今回はスルー
※家を出るときに見た時計は携帯電話。正確である。
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