説明会前日に送りつけられた233頁の最終報告書を前に、この検証の意味を考えています。
委員の皆さんと事務局が、この報告書をまとめるために、必死に作業したことはうかがえます。
でも、
少なくとも私たちの望んだ検証ではないし、
検証委員会が当初やりますといった検証でもない。
分厚くなればなるほど、本質は見えなくなります。
大津波警報が鳴り響く寒い校庭で51分、山への避難を訴えていた子ども達の姿を見えなくする分厚さです。
「逃げよう!」と強く言えなかった。
みんな後悔しています。その後悔を無駄にしてほしくなかった。
ほとんど掘り下げられていません。
室崎委員長は第4回検証委員会で
「行政がときとして事なかれ主義に陥る」ということをふまえ、「根底にある、日本社会全体が持っている問題みたいなものまできちんと指摘しないと次に生きてこない。」と述べていますが、検証委員会は、まさに事なかれ主義に陥ったと言えます。
私はこう考えています。
「危ない、だめだ」と声をあげるのは誰でもいい。他から何を言われようが、命を救う。それを「勇気」「覚悟」ではなく「常識」にしていく。
大事だと分かっていることを口に出すには、覚悟が必要なのでしょうか。口に出されると困る人がいるようです。それで表に出ない「大事なこと」がたくさんあります。それを変えなければ。
そのことは、この報告書には書いていませんが、この検証委員会そのものが問題を浮き彫りにしました。
言葉にする「覚悟」がなかったのです。あの日の校庭も、検証委員会も。
(3/2追記:報告書の確定版は、事務局の社会安全研究所のウェブサイトからダウンロードできます。データはダウンロードして保管することをお勧めします)
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